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教科書通りの説明では、オプション取引とは金融派生商品(デリバティブ)の1つで「ある金融商品(原資産)を、あらかじめ決められた期日において、あらかじめ決めた価格で、買ったり・売ったりする権利のことで、さらにその権利を売買することができる・・・」などと説明されますが、よく分かりませんよね?
「オプション取引」は、誰にでも理解できる言葉で、
わかりやすく、簡単に説明することができます。
誰かに「オプション取引とは何か?」と聞かれた際には、
以下のように説明しましょう。 |
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オプション取引とは、景気や相場の良し悪しに関わらず、相場が上がっても(up↑)、下がっても(down↓)、まったく変わらなくても(side→)、どの局面でも利益を出すことができる「投資手法」のことで、「金融商品」そのものではありません。 |
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オプション取引の投資手法は、アメリカ市場ではさまざまな金融商品(原資産)に対して用いることができ、どの「原資産」でも流動性が豊富です。しかし、日本のオプション市場では、個人投資家が日本のネット証券を通じて自由に取引可能で、流動性の高い原資産は、株価指数の「日経平均株価指数(指数オプション)」だけです。
日本国内では2013年01月01日に「大阪証券取引所」が「東京証券取引所」を吸収合併し、持ち株会社の「日本取引所グループ」となり、2014年03月24日に東京証券取引所のデリバティブ(金融派生商品)市場を統合し、デリバティブ専門市場としての位置づけを明確にするため「証券」の文字を外し、社名を「大阪取引所」に変更しました。2019年10月01日、東京商品取引所を子会社化し、商品先物も扱う総合取引所の第一歩を踏み出したところです。
今後は、先物取引やオプション取引などのデリバティブ(金融派生商品)市場における国際的な競争力の向上が期待できますが、商品先物は監督省庁間の壁に阻まれ、複数の異なる取引所が利害関係で既得権益を手放さないため、日本のデリバティブ市場全体の地盤沈下を招いています。
現時点においては、アメリカのような金融・証券から商品までを幅広く取り扱う「総合取引所」の実現にはほど遠い状態で、アジアの金融ハブ(中核)としての地位は、日本ではなく、後進の中国が着実に築き上げています。
金融グローバル化する世界では、再編などのシステム統合だけでなく、言葉(英語)の問題を含めた「金融教育」が最大の障壁です。たとえ国内のシステムを整えたとしても、個人投資家に対する金融教育の啓蒙活動が行われないまま、無知な個人投資家に対して「非上場投資信託」を売りつけ、自らの懐を痛めずに手数料を稼ぐだけの金融業界の仕組みそのものを抜本的に変えなければ、市場取引は活性化されません。
金融市場は右肩上がりに上昇し続けることなどないのに、下落リスクに対する保険(ヘッジ機能=オプション取引)を用意せずに、「非上場投資信託」で「長期投資」を教唆するのは、経済的な自殺ほう助に等しいと言えます。金融機関や機関投資家などによる市場参加の加勢がなければ、日本の個別株式オプションのように流動性が低い市場のまま放置され、ガラパゴス化し、ますます金融グローバル化の潮流から取り残されることになるでしょう。
単純に「株式投資」と言っても、人それぞれ意味合いは異なります。なぜなら、株式投資の投資手法は4つあり、それぞれ相場との相性が異なるからです。
「現物取引」は、基本的に、安値で買って、高値になるまで持ち続ける、買い持ち(Buy and Hold)の投資手法で、上げ相場(up↑)でしか利益を出せません。「信用取引」は、信用でレバレッジを掛けてより多くの株式を買ったり、信用で第三者から借りた株式を高値で売り、その代金を元手にして、安値になったところで買い戻して、借りた株を返却し、その差額が利益となる「空売り」があり、上げ相場(up↑)でも下げ相場(down↓)でも利益を出すことができます。「先物取引」は、原油や金などの商品先物と同じように、ある将来の期日における価格を予測して、現在よりも高くなると予測すれば買い、現在よりも安くなると予測すれば売る投資手法で、上げ相場(up↑)でも下げ相場(down↓)でも利益を出すことができます。そして、景気や相場の良し悪しに関わらず、相場が上がっても(up↑)、下がっても(down↓)、まったく変わらなくても(side→)、どの局面でも利益を出すことができる「投資手法」が「オプション取引」です。
人それぞれの「株式投資」では、金融危機で株価が暴落して、大損して泣く人もいれば、大儲けして笑う人もいます。金融メディアでは、株価が暴落して、(大衆の怒りをなだめるために)証券取引所で頭を抱える人ばかりをフォーカスするので、偏った情報が流布することになりますが、株価が暴落して、富が消えてなくなるわけではなく、ある者からある者へと富が移転している、というのが真実です。損をする人がいれば、反対側には、得をする人がいるということです。
生き残ることができるのは、強者でもなく、賢者でもありません。トレンド(環境)の変化に柔軟に適応して、投資手法を変えることができる投資家です。 |
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投資手法 |
上昇 / up ↑ |
横ばい / side → |
下落 / down ↓ |
現物取引 |
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信用取引 |
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先物取引 |
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オプション取引 |
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注*1) アメリカ市場の現物オプションの株価指数オプションは、ほとんど「ヨーロピアン・スタイル」ですが、「OEX」などの一部の株価指数オプションは、「アメリカン・スタイル」です。 |
注*2) アメリカ市場の先物オプションは、「アメリカン・スタイル」です。一部、「ヨーロピアン・スタイル」のオプションもありますが、ほとんど取引されていません。 |
注*3) 日本市場の現物オプションは、「ヨーロピアン・スタイル」です。日本市場の先物オプションは、「アメリカン・スタイル」です。 |
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